Model No.VS100 ORANGE CRUNCH
Power : 100 Watts Hybrid Amplifier
Amp：Pri=ECC83X1 Power=Transister　
Channel : 3
Knob CREEN : VOLUM 105A(A1M) BASS 104A(A100K) MIDDLE 103A(A10K) TREBLE 104A(A100K)
Knob OD1 : GAIN 105A(A1M) VOLUM A100K(A100K)
Knob OC2 : GAIN 105A(A1M) CONTOUR 203B(B20K) VOLUME A100K(A100K)
Knob EQ : BASS 105A(A1M) MIDDLE 203B(B20K) TREBLE 204B(B200K)
Knob FX : FX MIX 502B(B5K) CLEAN REVERB 103B(B10K) OVERDRIVE REVERB 103B(B10K)
Input : 1
Output : LINEOYT SEND RETURN FOOTSWITCH
Revreb : 〇
Send-Return : 〇
Speaker : Celestion GOLD BACK 8Ω/100W
Dimensions (W x H x D)mm：600×490×250
Weight (Kg)：20

VALVESTATE VS100は VALVESTATE 80V (8080)の後継機として 1996年から発売されたモデルで2001年のAVTシリーズが発売されるまでの5年間このシリーズは続きました。
途中、1999年にマイナーチェンジが行われGOLD BACK スピーカーのデザインが変更され VALVESTATE VS100Rとモデル名も変更されました。

今回紹介しているValvestate VS100 OGANGE CRUNCHは1998年にValvestate VS102(2スピーカーモデル)と共に限定販売されたレアなモデルです。

Valvesyaye 80Vからの変更点としてはチャンネルが3チャンネルとなり、オーバードライブチャンネルがOD1とOD2のコントロールが二つに分けられました。　
Valvestate 80Vにも OD1とOD2 の切り替えは有りましたが、トーンやボリュームの設定は同じチャンネルでしたので演奏中の切り替えは困難でした。　VS100の特長としてOD1は今まで通りの使いやす歪みを残しつつ、OD2は更なる歪みの世界へと誘いてくれます。　更に歪みを持たせる事で、ヘビメタ等のジャンルの取り込みも考えたものかもしれません。

外観的にはボックスの寸法や操作パネルのデザインは略80Vと似ていますが、厚みが15mm程度薄くなりました。
そのため、モデルチェンジと言うよりマイナーチェンジ的な変更であり、これはVALVESTATE 80Vが大ヒットした事で、あえて大きな変更を避けたものと思われます。
　

外観はさほど変更点は有りませんが、内部にはかなりの努力が見られます。
先ず80Vと同じシャーシを使いながらもスペースを工夫して基盤がプリアンプ部とパワーアンプ部の3つに分かれています。　また、100W出力のためパワートランジスタの放熱板が大きくなっています。
しかし、電源の平滑回路は相変わらず貧弱でVALVE STETE 特有のブーンと言うハムノイズが改善されていません。逆にオーバードライブ時には80Vよりハムノイズが気になります。
また、可変抵抗が小型化となり表記も現代表記に変更 A1M→105A 　204B→B200K となっています。

電源部の充実と出力が20％アップされた事でスピーカーもGOLD BACK CELESTION 8Ω/100Wに変更され、サウンド的にもダイナミックレンジが広がり、より低音に迫力が増しています。
特に80Vと比較し特筆すべき点は、80Vがブーストチャンネルのみに真空管が使われていましたが、VS100はクリーンチャンネルも真空管が使われる事により、真空管特有の温かみのあるマーシャルならではのクリーントーンが再現されています。

このValvestateシリーズは他のマーシャルアンプとは異なり、アマチュアからプロまで使え、その時代に於いて音楽シーンと共に進化を遂げたギターアンプであり、時代時代で必要とされる音を提供してきました。
しかし、最近ではアマチュアバンドの影も薄れ、需要の低迷によりValvestateシリーズが無くなってしまったものと思われます。

平成元年からスタートした三宅裕司の「いかすバンド天国」"通称イカ天"から始まったバンドブーム。　当時は背中にギターを背負ったギター小僧達がお茶の水あたりを闊歩していました。　その様なバンド黄金期の再来を今は望むばかりです。　　
若者よ、スマホを置きギターを取れ。